日本化學會誌
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レドクチン酸の生化學的研究(第一報)
田所 哲太郎齋藤 恒行
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1941 年 62 巻 7 号 p. 615-617

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抄録

アミノ酸の酸化的脱アミノ作用に就ては, Edlbacher1)がグリココールにピロカテキン或はアドレナリンを作用せしめると,脱アミノ作用が行はれ最終産物としてアムモニア,フォルムアルデヒド,炭酸を生ずる事を述べて居る. Barenscheen2)はこの反應の中間産物としてGlyoxyl酸の生ずることを述べた.又Edlbacher3)は高等動物の肝臓中にヒスチダーゼなる酵素を見出し,これによりてヒスチヂンは分解せられその分解産物としてグルタミン酸を得た.
又Borghi及Tarantino4)は皮膚からヒスチダーゼを發見した.このものはEdlbacherの發見したヒスチダーゼとは反應機構を異にするものと考へられて居る.又Edlbacher5), Holtz及Triem6)はアスコルビン酸が鐵及び酸素の存在に於て生理的に重用なるアミノ酸殊にイミダツオール環を有するヒスチヂン等に作用し之を分解してアンモニアを生ずることを述べて居る.著者等はアスコルビン酸と類似の性質を有するレドクチン酸にも亦アミノ酸の脱アミノ作用を有することを豫想し各種條件に就き實驗を行ひその作用を確認し而も鐵の存在で最も顯著である.

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