深海底土の化學的研究(其八)
深海底土のラヂウム含量(第三報)
1941 年 62 巻 9 号 p. 836-842
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1941 年 62 巻 9 号 p. 836-842
第一報及び第二報に引續き筆者は更に13個の海底土のラヂウム含量を測定した.其の結果は既報と全く同樣陸地に近接した淺海底土及び深海底土はラヂウム含量は陸上岩石のそれと大差ないが,陸地を遠く離れ且つ水流の變動の少い靜かな深海底土に推移するに從つてラヂウム含量は著しく増大する傾向を認めた.而して海底土の化學分析の結果によればラヂウム含量とマンガン,鐵の含量とは比例してゐる.海底土に於けるラヂウムの濃縮機構に關して種々の要因が考へられるが,筆者は其の最も重な要因は海水中のラヂウムがマンガン,鐵のコロイド性酸化物に吸着され相伴つて沈澱するのによるものであると考へる.
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