日本化學會誌
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南片圏海魚油並に肝油に化學的研究(第四報)
ヒラガシラ(鮫)肝油に就て(其の一)
畑 忠太國崎 辰喜
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1942 年 63 巻 12 号 p. 1585-1590

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抄録

臺彎近海に於て漁獲せらるる鮫類の内,ヒラガシラはその代表的のものの一にして學名Scolidon walbeehmi. Bleeker.,目白鮫科に屬し肝臓の肝油含量58%,そのヴィタミン濃度國際單位13500を示し藥用肝油として貴重なる地位を占むるものなり.本報は脂肪酸成分中低沸點部脂酸肪に就を檢索して飽和酸としてラウリン,ミリスチン,パルミチン,ステアリン,アラキンの各酸を證明し不飽和酸としてテトラデセン,ヘキサデセン,オレイン,ドコセンの各酸を確認し更に同じモノエチレン系酸としてガドレイン酸の異性體と思はるるΔ12:13エイコセン酸の存在を推定したるほか,リノーレン酸列酸としてエイコサトリエン酸を單離し之にスコール酸(Scolsäure, Solic acid)と命名せり.

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