日本化學會誌
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容量分析に液状アマルガムの應用(第二十七報)
水中溶解酸素の定量
石丸 三郎田中 親房
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1942 年 63 巻 12 号 p. 1708-1714

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抄録

液状亞鉛アマルガムを應用して酸素に鋭敏なる低級酸化状態の金屬イオンを作り,これを試藥となし水中溶解酸素の定量を試みた. CrII, MoIII, TiIII,及びVIIの諸イオンにつき豫備的檢討をなしたが,目下のところCrIIイオンが應用して最も好適なるを知つた.そこで先づ上水道水並びに普通蒸溜水につき,これを用ふる定量法を調査して, Zn-Hg・K2CrO4・FeIII法による實驗指針を提案し,普通分析の範圍にあつてその實施による結果の滿足なるを示した.
一般水中に溶解含有さることあるべき諸種の成分が本法に與ふる影響並びにその除外に就て,更にCrIIイオン以外の關係する諸金屬イオンの應用に關してはこれを將來の研究に俟つべきとし,尚Winkler法實施に當り,使用するフラスコに就て著者の考案した型を附記した.

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