日本化學會誌
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融解に關するLindemannの通則に就て
熔融塩の電氣傳導度の研究(第六報)
完戸 俊助
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1942 年 63 巻 12 号 p. 1738-1742

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抄録

單原子よりなる固體(主に金屬)の融解に關するLindemannの有用なる通則2).
ν=const√Tm/MVm2/3
ν原子の振動數Tm融點
M原子量Vm融點に於ける分子容
をKCl型結晶に就きイオンの熱運動と最近接イオン間に働く力とから考察を行つた結果(1)式の根據となるべきは,結晶が高温になれば各イオンは周圍イオンの熱運動の激しさによつて簡單なる調和運動をなし得ざるに到る事が主な條件であるを結論した.
又融點以上での如く振動振巾が大きくなるとそのイオンの位置エネルギーの状況は第五報1)に於て液體分子の熱運動の位置エネルギーに就て考へたと類似な型を示すに到るから融解後に流動性の急激に増加するのも了解せられる處である.

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