日本化學會誌
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四鹽化炭素の氣體のラマン効果
森野 米三渡邊 格水島 三一郎
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1942 年 63 巻 4 号 p. 377-382

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抄録

(I)氣體のラマン・スペクトルを撮影する装置を組立て,四鹽化炭素を試料として實驗を行ひ,それが充分使用し得るものである事を確めた. (II)氣體四鹽化炭素のラマン・スペクトルに於て次の二つの特徴が見出された: (a)ラマン線の波數が液體に於ける値より減少し,また線が太く不鮮明になる. (b) 751, 791cm-1の二重線が液體の場合とは著しく異なる強度比を示す. (III)ラマン線の波數の實測値を用ひて四鹽化炭素の自由分子に於ける力の恒數を計算した. (VI)其の結果として分子内で原子價によつて直接結ばれてゐない鹽素原子間に働く力は,アルゴン原子間の力と略〓同程度の大いきである事を確めた.

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© The Chemical Society of Japan
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