日本化學會誌
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亞セレン酸鹽の分析化學的研究(第二部銀:第一報)
亞セレン酸銀の組成竝に銀の定量法
成井 芳男
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1942 年 63 巻 6 号 p. 611-614

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抄録

1) 硝酸銀溶液に亞セレン酸溶液を加へて生ずる沈酸及醋酸ソーダを含む硝酸銀溶液に酸性亞セレン酸アンモン溶液を加へて生ずる沈澱は,沈澱時の液温又は煮沸状態のいづれの場合に於てもAg2SeO3にいて結晶水は存生しない.
2) 上記條件によつて得られる亞セレン酸銀は白色粉末状にして常温の水及温水に極めて難溶性である.温稀硫酸,硝酸及アンモニア水に易溶にして,苛性アルカリ及鹽酸溶液に於ては夫々酸化銀竝に鹽化銀に變ずる,灼熱すれば分解してAgとなる.
3) 亞セレン酸による銀の沈澱反應の鋭敏度は1:400000である.
4) 銀を亞セレン酸鹽としい定量的に沈澱せしめ,重量法,容量法及比色法により銀の定量が可能なる事を示した.

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