1943 年 64 巻 2 号 p. 112-119
共通イオンを有する二種の電解質の混合溶液に熱擴散効果を生ぜしむれば,電解質の相互作用を認め得る.この事は本研究の第二報に於て著者により見出された所であるが,本報に於ては再びこれを確認した.これと共に實驗事實に基き考察を加へたる結果,前報にて提案せる擴散電位の存在は明らかとなつた.依て擴散電位に關するNernst等の取扱方法に倣つて理論的關係を導き,實驗結果の量的檢討を行ひ,滿足すべき結果を得た.
この記事は最新の被引用情報を取得できません。