日本化學會誌
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南方圏海魚油並に肝油の化學的研究(第九報)
タラウザメ肝油及びイヌザメ肝油に就て
國崎 長喜畑 忠太
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1944 年 65 巻 4 号 p. 301-304

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抄録

タラウザメはツノザメ科アイザメ屬に屬し,肝臟の含油率67.33%にして本肝油は48.93%の不鹸化物を含有し,不鹸化物の約93%はスクアレンにして原油の約45%を占め他に少量のバチルアルコールを含む.脂肪酸は固體酸約26%,液體酸74%の割合にして前者はパルミチン酸を主成分とし,他に少量のステアリン酸を含み,液體酸は大部分オレイン酸にしてヘクサデセン酸も亦存在するものの如く,高度不飽和酸も少量檢出せり.
イヌザメは學名Chilosyllium punctatum Müller & Henle,テンヂク鮫屬に屬する小型の鮫にして肝臟の含油量8.76%,不鹸化物は5.63%にしてヴィタミンAの呈色反應陽性なり.脂肪酸はパルミチン酸オレイン酸を主成分とし他にステアリン酸,ヘクサデセン酸及び少量の高度不飽和酸存在す.

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