日本化學會誌
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硫酸第一チタンに依る容量分析法(第五報)
マンガンの定量
江見 浩一
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1944 年 65 巻 4 号 p. 323-327

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抄録

(1) 二酸化マンガンと過マンガン酸カリとを試料として,硫酸第一チタン溶液を以てするマンガンの定量法を各種の條件のもとで研究した.
(2) 二酸化マンガンは硫酸溶液となして,硫酸第一チタン溶液を以て還元滴定を行ふことが出來る.
(3) 二酸化マンガンの硫酸溶液に於ての滴定では,反應時間を1時間,反應温度を80°Cにして硫酸(比重1.84)を2cc使用した時に最も良い分析結果が得られた.
(4) 過マンガン酸カリを硫酸第一チタン溶液を以て還元滴定する方法の特長とするところは,蓚酸ソーダ法に於ける如く反應液を豫め加温する必要なく,常温に於て正確に滴定出來ることである.
(5) 過マンガン酸カリに3價の鐵が共存せる時は此の各々を硫酸第一チタン溶液を以て滴定することが出來る.
(6) 6.66mgのマンガンに對して33.54~16.77mgの鐵の共存は,マンガンの定量に支障を來さない許りでなく,其の鐵をも同時に而も正確に滴定し得られる.

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