日本化學會誌
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合成油脂分解劑に關する研究(第五報)
α-アルキルナフタリンのスルフォン化に就て
奥村 重雄
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1944 年 65 巻 7 号 p. 655-658

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抄録

アルキルナフタリンスルフォン酸類に於けるスルフォン酸基の位置を決定する爲め,四種のアルキルナフタリンスルフォン酸, (α-エチルナフタリンスルフォン酸,α-n-ブチルナフタリンスルフォン酸,α-n-ヘプチルレナフタリンスルフォン酸及びα-n-オクタデシルナフタリンスルフォン酸)を試料として選び,之に過マンガン酸加里酸化を行つた結果
i) 酸化生成物としてフタール酸とヘミメリット酸スルフォン酸を分離し得た事實から,スルフォン酸基はアルキル基と同一のベンゾール核に存在するものと推定した.
ii) 尚P. Friedländer及びPh. Luchtの報告に準じてα-エチルナフタリンスルフォン酸の弱酸性の水溶液に4%ナトリウムアマルガムを作用した所,スルフォン酸基は亞硫酸ガスを發生しつゝ分解される事實からα-スルフォン酸に屬する事を確め得た.
iii) 以上の實驗結果によりアルキルナフタリンスルフォン酸は,そのアルキル基とスルフォン酸基とが同一のベンゾール核に存在する1-アルキルナフタリン4-スルフォン酸に屬する事を確定する事が出來た.

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