日本化學雜誌
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有機溶媒中に於ける過酸化ベンゾイルの分解反應に關する研究(第2報)
マロン酸ジエチルエステル及びジベンゾイルメタンとの反應
末廣 唯史
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1951 年 72 巻 12 号 p. 1070-1073

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抄録

1) 活性メチレン基を有する化合物としてマロン酸ジエチルエステル,ジベンゾイルメタンの中で過酸化ベンゾイルの分解反應を行つた。前者に於いては過酸化ベンゾイルは多量の炭酸ガスを發生して遊離フェニル基を生じ,主としてこのフェニル基により反應が行われるが,後者に於いては炭酸ガスの發生は僅かで主としてC6H5-COO.による反應が行われ,これ等遊離基は夫々ベンゼン,安息香酸となり,何れの場合も溶媒分子はメチレン基の水素が奪われてα位の炭素の結合した二量體を生成し,特にテトラベンゾイルエタンは好收量にて得られる。
2)遊離フェニル基はメチレン基の水素と置換反應を起さず,水素を奪つてベンゼンを生成するが,芳香族化合物との反應に於いては核置換反應が起ることが認められる。

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