1957 年 78 巻 9 号 p. 1299-1305
ホウ酸に対する比色定量試薬として,アントラキノン系色素の中にすぐれた試薬が知られている。したがってアントラキノン系色素を若干合成し,それらの中からホウ酸に対する有効な試薬を見出すと共に,その構造との関係を調べた。その結果,オキシアントラキノン系色素では1位にヒドロキシル基のあることが必要条件であり,アミノ基は0般に無効である。ジアントラキノィルイミド系色素では,加熱により色調の変化を示すものがある。アントラキノィルアゾ系色素では,R酸,クロモトロ0プ酸およびH酸をカップルした試薬が有効であることを見出した。なおこれらの呈色反応は濃硫酸中で行われるのであるが,幾分希釈された状態でも色調の変化を示すものがあることを見出した。
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