1958 年 79 巻 8 号 p. 999-1003
一定量のアルカリハライド試料を塗付した長さ6cmの被覆線の中央2cmの部分からの放出陽イオン電流は時間とともに指数関数的に減ずる (実験条件: 試料溶液は単独塩, 混合塩いずれの場合もすべて同一mol濃度とし, 担体の加熱温度Tは640°~830℃,加速電圧γは8~115V)。試料塩化ナトリウム, 塩化カリウムにつき, 試料溶液1mgあたりの放出陽イオン総数NはT, Vと共に増大する。70V, 750℃におけるNの序列: KBr>KCl>NaCl>LiCl。NaCl-KCl, NaCl-LiCl, NaCl-KBr, KCl-KBr, KCi-CdCl2, NaCl-CdCl2等の2成分混合系につき, 組成のmol分率対Nの関係は加成的である。塩化カドミウム単独からの陽イオン放出はない。既述第3報の理論を考察基準にすればT, γ等の影響はかなりよく理解でき, またNの序列に対してもその理論的根きょが与えられる。
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