日本化學雜誌
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温泉の化学的研究(第49~50報)(第50報)温泉のゲルマニウムについて(その2)
太秦 康光瀬尾 淑子
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1959 年 80 巻 10 号 p. 1124-1128

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抄録

前報に引きつづき温泉中のゲルマニウムについて含量比,他成分との関係等について考察した。ゲルマニウムの含量比は0.2~35×10-6,平均5×10-6となり,各種の泉質の温泉について平面的にみれば,主成分とゲルマニウムの間で,たとえばGe/CIとCI-とでは両者の対数をとるとほぼ負の相関がみられるというような関連性はあるが,とくに明瞭な関係は見いだされない。また微量成分であるF-との間には,F-が多くなればゲルマニウムも多くなる傾向が認められた。一方,温泉以外の天然水についても二,三ゲルマニウムを定量したところ,普通の地表水にもゲルマニウムが見いだされた。また炭酸カルシウム,鉄質温泉沈殿物中では大体0.5~5ppm程度ゲルマニウムが含まれることを見いだし,一般に鉄の多いものほど,ゲルマニウムを濃縮していることが明らかにされた.

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