日本化學雜誌
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イオン交換樹脂によるトリウムの微量検出法
加藤 清垣花 秀武
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1959 年 80 巻 2 号 p. 169-171

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抄録

イオン交換樹脂を発色の担体としてトリウムの微量検出をこころみた。発色試薬としてアリザリンSを用い,これと網目構造の粗な陰イオン交換樹脂(Dowex1-X1)の硝酸形および硫酸形樹脂粒を用いて好結果が得られた。フタル酸水素カリウムと硝酸または水酸化ナトリウムでmをほぼ3~4に調節したトリウム試料液にアリザリンSを吸収した前記樹脂粒を投入して粒の呈色を空試験と比較観察する。トリウムが存在すれば紫~ 赤み紫色*iの発色を示し空試験においては黄茶~ うす紫味灰色を示す。
本検出法において検出限界0.03γ,限界濃度1:106を得た。チタン,ジルコニウム,鉄,ガリウム,フッ素,モリブデン酸,タングステン酸,バナジン酸,リン酸,シュウ酸などの共存は妨害する。

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© The Chemical Society of Japan
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