日本化學雜誌
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セタンの液相酸化(第1報)酸化速度および酸化生成物の研究
神尾 晋一
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1959 年 80 巻 2 号 p. 188-191

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抄録

セタンの温度120°~180°Cにおける酸素吸収速度を測定し,同時に生成物の赤外線スペクトルによる吸収を測定した。生成物としてアセトンおよびこん跡の炭酸ガス一酸化炭素,エチレン,ギ酸メチルを見いだし,また生成物の微量分留留分をナトリウム塩としたものを臭化カリウム錠剤法により測定し,ギ酸,酢酸,プロピオン酸が同定され,これらの低級脂肪酸が酸化生成物の主成分であると推定した。
酸化生成物の種類および量にっいての定性的な知見と,自己触媒的に進行する酸化反応のデ一タから考察すると,セタンの初期における酸化は炭化水素酸化に関するSemenovの仮説で矛盾なく説明される。
低級脂肪酸の生成から薩鎖状炭化水素に対する酸素分子の攻撃が特定のメチレン基に対してある程度撰択的におこっているように推察される。

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