日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
キレート試薬を用いる電解分析法の研究(第4報)ビスマス,アンチモン,ヒ素と共存する銅の定量
中川 元吉
著者情報
ジャーナル フリー

1960 年 81 巻 1 号 p. 102-104

詳細
抄録

アンチモン,ヒ素(III),(V)が共存する場合の銅の電解分析法に,錯形成剤としてジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を添加した電解液を用いる方法について検討した。ききに報告したビスマスの場合と異なり,アンチモン,ヒ素(III)のDTPAキレート化合物は安定度が小さいためにDTPAを単独に加えた電解液では,アンチモン,ヒ素(III)と共存する銅の定量にあまりよい結果が得られなかったが,酒石酸ナトリウム-DTPA溶液を電解液として用いることによって銅の電解分析に対するアンチモン,ヒ素(III)の妨害を除去することができた。ヒ素(V)についてはアンチモン,ヒ素(III)の場合と異なりDTPA電解液を用いt場合でも,陰極電位-0.60V(SCE)で銅を電着させて定量することができf。さらにビスマス・アンチモン・ヒ素が共存する場合の銅の電解分析に酒石酸ナトリウム-DTPA溶液を電解液として用いる方法について検討し,電解液のPH4.0~5.0で,陰極電位を-0.4~-O.45V(SCE)にたもって銅を電着すれば,他の金属は銅と共析出せず好結果が得られた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top