日本化學雜誌
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ポーラログラフによるイッテルビウムの定量
岩瀬 秋雄
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1960 年 81 巻 1 号 p. 95-98

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抄録

イッテルビウム (III) イオンのポーラログラフ的行動について検討した。ゼラチンを含まない塩化リチウム支持塩溶液中で Yb3+→Yb2+ (E1/2=-1.448±O.002V vs. SCE) および Yb2+ → Yb0 (E1/2= -2.046±O.O02V vs.SCE, pH 3.4) の還元にもとづく 2 段波を与えるが, 第 2 波は極大波をともなう。この極大電流はイッテルビウムおよびゼラチン濃度に依存し, [Yb3+] > 10-4 mel/lであらわれ, その濃度の増加にしたがって増大する。またゼラチンの添加によっても増大しゼラチンの濃度と極大電流の関係は Langmuir による等温吸着式にしたがう曲線を示すことを認めた。拡散電流定数はそれぞれ 1.52 ± 0.04(0.1mol/l シウ化テトラエチルアンモニウム, pH 4.5~6.0), 3.04 ± O.04 (0.05 mol/l 塩化リチウム, pH 3.4 ± 0.1) を得た (25°±0.1℃)。さらに第 1 波を希土混合物 (サマリウム, ネオジム, ランタン) 中のイッテルビウムの定量に用いるための基礎的実験を行なった。

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