1960 年 81 巻 2 号 p. 200-205
乾式紡糸法でつくったポリビニルアルコール (PVA) 繊維を定長下にいろいろの程度に熱処理し, 熱処理繊維の X線広角反射および小角散乱を X線デフラクトメーターで測定した。熱処理温度が高くなるにしたがって, 広角反射および子午線上の小角午渉は鋭くなり, かつそのX線強度は増大する。 小角干渉ピークの中央の散乱角をブラッグ式に適用して計算した大週期も増大する。しかし広角反射でいちじるしい選択的傾斜配向がみられる場合には小角千渉の強度は低下し, 幅も増大する。子午線反射 (020) の幅および繊維の比重と大週期の間には一応の比例関係が認められた。小角干渉強度と広角反射 (100) の幅の間に, 同一の熱処理をしたいろいろの延伸率の繊維では直線関係が認められたが, 熱処理温度が異なった同一延伸率の繊維では直線的な関係は認められない。
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