有機化合物の放射線化学的研究(第2報)放射線照射による各種メルカプタンのオレフィンに対する付加反応

抄録

メチル-,n-ブチル-,ベンジル-,ラウリル-,フェニル-メルカプタンなどの各種メルカプタンは⁶⁰Co-γ 線の短時間の照射によって酢酸ビニル,アリルアルコール,シクロヘキセン,スチレンなどに付加してほぼ定量的に対応する非対称硫化物を生成することを見いだした。反応速度を測定した結果,1次速度定数(k×10²min^-1)はつぎのようであった。酢酸ビニルに対してメチルメルカプタンを反応させた場合には7.0,n-ブチル-では3.6,ラウリル-では1.1,ペンジルでは1.3,フェニル-メルカプタンでは0.35であった。またアリルアルコールに対してn-ブチル-では12.5,ベンジル-メルカプタンでは1.76であった。シクロヘキセンに対してはn-ブチル-では0.52,ペンジル-では0.76,スチレンに対してメチル-メルカプタンでは0.49であった。