日本化學雜誌
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ポリアクリルアミドによる粘土懸濁液の沈降促進
豊島 佑吉
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1961 年 82 巻 10 号 p. 1297-1301

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抄録
前報において水溶性無機,有機各種化合物中水溶液相対粘度の著しく小なるものは粘土分散系の沈降促進作用もほとんどなく,いぢじるしい沈降促進作用あるものは 粘度の大なるものであることを知ったが,本報では粘度の異なる多数のポリアクリルアミドによる粘土懸濁液の沈降促進作用につき検討した結果,かなり広い添加量範囲(粘土に対し 2000ppm のときおよび 200~20ppm )において固有粘度 [η] と沈降速度νの間に直線関係が得られること,およびそのような条件ではlog M,logP,log(γ2)1/2は いずれも log(ν-α) と直線関係にあることを見いだした。ここに M; 重量平均分子量, ν: 重合体を添加したときの沈降速度,α:重合体無添加のときの沈降速度, P:重合度, γ2:高分子鎖の両端間距離の2乗平均を表わす。また上澄液の濁度は少量の添加物(20 ppm 対粘土)では無添加系にくらべて沈降速度が増すにもかかわらず増し,適量添加では減少し,その減少は添加物の固有粘度の大なるものほどいちじるしく,過量の添加では固有粘度に関係なく,濁りはほとんどなくなる。
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