日本化學雜誌
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アリールフタリドおよびアリールフタランの接触還元分解
三井 生喜雄釜石 忠美
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1961 年 82 巻 10 号 p. 1382-1386

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抄録

3-フェニルフタリド, 1-フェニルフタランおよびそれらの誘導体をパラジウム-炭またはラネーニッケルを触媒として常温常庄で接触還元するときは,いずれもフェニル基の結合している炭素と酸素間で開裂の起ることを明かにした。すなわちアリールフタリドはパラジタム-炭によりo-ベンジル安息香酸およびその誘導体を隼成し,アリールフタランはラネーニッケルを触媒とするときは,o-べンジルべンジルアルコールおよびその誘導体を生成するが,パラジウム-炭を用いるときはさらに水素化分解の進行したo-ベンジルトルエンおよびその誘導体が得られた。接触還元の機構はいずれも触媒上の SN1 イオン反応であると考えられる。

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