1961 年 82 巻 12 号 p. 1601-1604
前報で測定して得たメチルセルロースフラクション(分子量7~30万)の 20℃ 水溶液における沈降定数S。,拡散定数D,および極限粘度数[η]の測定値を用い,溶液中における分子の大きさ,分子鎖の配位,統計的に独立なセグメントの鎖長等について, Kuhn-Kuhn, Debye-Beuche, Kirkwood-Riseznan らの流体力学的理論による解析を行ない,他の高分子,とくにセルロース誘導体についての文献値と比較考察した。その結果メチルセルロース分子は水溶液中で他のセルロース誘導体と同様に成高,合分子にくらべて伸張した形をとっているが,他のセルロース誘導体よりはかなり縮んだ配位をとっており,どちらかといえば内部に溶媒を不動化したち密なコイルに近いことが推察された。
また Flory-Fox の理論をもちい,S0,D0および[η]の測定値から普遍定数 _=_1/3P-1の値を算定したが,極限値 2.5~2 .7×106よりはいずれも低い 2.5~2.1×106の間の値を得,またこの値は分子量とともに減少して一定値 2.1~2.2×106に近づく傾向をみとめた。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。