1961 年 82 巻 2 号 p. 259-261
β一オキシーα,α-ジメチル-β-フェニルプロピオン酸エステル(1)をベンゼン中五酸化リンで脱水するとジメチルアトロパ酸エステル(I)が得られる。この反応(ブレイズ反応)はエトキシカルボニル基の転位と考えられるが酸触媒下でこのような例はきわめて珍らしい。また酸触媒下のメチル基とフェニル基のくりかえし転位と考えることも可能である。この点を確かめるため放射性同位元素(14C)による追跡実験を行なった。その結果ブレイズ反応はエトキシカルボニノを基の1,2転位をへて進むことを確かめた。また放射性同位元素希釈法を用いて定墨を行なった結果,この場合メチル基の1,2一転位はほとんど起っていないことを確かめた。
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