日本化學雜誌
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振動スペクトル強度の分子軌道法理論
前田 史朗
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1962 年 83 巻 4 号 p. 379-382,A26

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抄録

振動スペクトルの吸収強度は,振動によって分子内に生ずる双極モーメントの大きさにより定まる。このモーメントに関して,従来は,通常の永久双極モーメントに対する結合モーメントの概念をそのまま振動状態に延長した模型的解釈がもっともしばしばなされているが,それには含まれていない電子分布のヒズミによる寄与も,当然吸収強度に影響するものと考えねばならない。この寄与を考慮に入れるためには,電子波動関数の振動にともなう変化を求めることが必要で,これはハミルトニヤンの微小変化を摂動と見なした摂動計算により可能である。本報では,MO型の波動関数にこの方法を適用して,振動による電子波動関数ならびに双極モーメントの変化を求める方法について考察した。

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© The Chemical Society of Japan
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