1962 年 83 巻 4 号 p. 481-485,A31
1)γ-オキシ吉草酸とグリコール酸の脱水縮合:γ-バレロラクトンを過剰の水酸化カリウムと処理して, カリウム塩とし, これとグリコール酸のカリウム塩とを200℃付近に加熱反応きせた。グリコール酸はまずCH3基に縮合して, γ-オキシピメリン酸が生成し, つぎにβ-カルボキシメチル-γ-オキシピメリン酸, β, δ-ジカルボキシメチル-γ-オキシピメリン酸が生成することがわかった。2)イソプロピルアルコールとグリコール酸との縮合:γ-バレロラクトンおよびγ-オキシ吉草酸とグリコール酸との縮合物は, イソプロピルアルコールとグリコール酸との縮合物と考えられる。実験の結果, この反応でγ-バレロラクトン, γ-オキシピメリン酸が得られた。3)γ-オキシ吉草酸の縮合:過剰の水酸化カリウムの存在下で加熱すると, 自己縮合をして2分子, 3分子などの縮合物が生成することがわかった。4)γ-オキシ吉草酸とペンジルアルコールとの縮合:この縮合もまずCH3基におこる。つぎに2, 3molのベンジルアルコールが縮合する。こうしてδ-ベンジル-γ-バレロラクトン;β, δ-ジベンジル-γ-バレロラクトン;β, δ, δ-トリベンジル-γ-バレロラクトンが得られた。
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