1962 年 83 巻 7 号 p. 844-847,A5
フェニルアゾトリフェニルメタンおよび,そのm-,p-置換誘導体を合成し,トルエン中59°と69℃において分解速度を測定した。
m-置換体の分解速度は,置換基の電子吸引性の増大とともに減少する。一方,p-置換体ではメチル基を除いて,電子反ばつ牲であれ,電子吸引性であれ,未置換体とくらべていずれもその分解速度はおそい。
m-置換基に対するHammettのσと,log(k/k0)との間には,かなり良好な直線関係がみとめられるが,p-置換基とりわけその電子反ばつ性の置換基は,この直線から大きくはずれている。親電子反応に関する湯川のHammett補正式を適用すると,p-およびm-置換基を含めて直線関係が認められた。
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