日本化學雜誌
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7,3',4'-トリメトキシフラバン-3,4-ジオールの合成
藤瀬 新一郎藤瀬 裕菱田 真三郎
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1963 年 84 巻 1 号 p. 78-81,A6

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抄録

7,3',4'-トリメトキシ-3-オキシフラバノン(I)を水素化ホウ素ナトリウム,水素化リチウムアルミニウムで還元するか,接触還元を行ない,7,3',4'-トリメトキシフラバン-3,4-ジオールの2種の立体異性体(II)および(III)を得た。IIは無水硫酸銅の存在下にアセトンと反応してイソプロピリデン誘導体(V)をあたえるが,IIIはアセトンと反応しない。塩酸の存在下にアセトンと反応させればIIおよびIIIから同一のイソプロピリデン誘導体(IV)が得られる。
7,3',4'-トリメトキシフラボノール(V)を接触還元し,7,3',4'-トリメトキシフラバン-3,4-ジオールの第3番目の立体異性体(VI)を得た。VIはイソプロピリデン誘導体(VII)をあたえる。
IIはIIIにくらベイソプロピリデン誘導体を生成しやすいことから,3,4位の水酸基の配置はcisと考えられる。核磁気共鳴のスピンースピン結合常数もIIがcis,IIIがtransの配置を支持する。
3,7,3',4-テトラメトキシフラボン-4-オール(IX)を接触還元し,3,7,3',4'-テトラメトキシフラバン-4-オール(IX)とし,これを酸化して2,3位の配置に関してIの異性体である3,7,3',4'-テトラメトキシフラバノン(X)を得た。
IIIは0.01N塩酸によりIIに異性化した。

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