日本化學雜誌
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イオン交換膜を使用するリチウム同位体の電気泳動分離
垣花 秀武岡本 真実
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1963 年 84 巻 5 号 p. 402-404,A27

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抄録

電気泳動法により同位体分離を行なう場合,重要な問題の一つは泳動媒体である。そこで同位体分離に関して,かなりすぐれた媒体であると考えられるイオン交換体,とくに本研究ではイオン交換膜を用いてリチウム同位体の電気泳動分離を行なった。アンモニウム形の陽イオン交換膜の一部にリチウムイオンを吸着させ,四塩化炭素中で250V,30時間泳動させると,リチウム吸着帯は約25cm移動し,リチウム同位体比(6Li/7Li)は先端部で標準比の12.30から9.34に変わり,後尾部では13.10に変わっていた。また各フラクシコンのリチウム存在量と,同位体比から同位体の泳動速度(u0,u7)を検討し,(u6-u7)/usを算出した結果0.008となった。この値は,Klemmらの行なった研究の結果と比較すると,水溶液と溶融塩の場合の中間に位し,イオン交換膜がかなりよい同位体分離媒体であることを示している。1緒

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