日本化學雜誌
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潤滑油中の芳香族炭化水素の低エネルギーイオン化法による質量分析
大島 昌三西下 孝夫藤井 勤也
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1963 年 84 巻 8 号 p. 646-650,A43

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抄録

芳香族炭化水素を低エネルギーイオン化法により質量分析するときのイオン化室電圧,押出電圧およびグリッド電圧の芳香族炭化水素の分子イオンおよび解離イオンへの効果,ならびに感度とその安定性を検討し,芳香族炭化水素の分子イオンの感度比を決定し,アメリカカリフォルニヤ産原油から蒸留および精製した潤滑油留分から液体クロマトグラフにより分離した芳香族炭化水素を質量分析した。単環芳香族炭化水素と多環芳番族炭化水素の比は59.3:40.7であり,単環芳香族炭化水素の含有量の順位はシクロパラフィン1環を有するもの,アルキルベンゼン,シクロパラフィン2環を有するもの,およびシクロパラフィン3環を有するものであった。それらの最高分子量分子および最大存在量分子の1分子あたりの側鎖の炭素数はそれぞれ14,17,11,5および7,10,5,2であった。多環芳香族炭化水素の含有量の順位はナフタレン系,アセナフテンおよびビフェニル系,フローレン,1,8-,4,5-ジシクロペンタノナフタレンおよびアセナフチレン系,フェニルナフタレンおよび1,10-シクロペンタノフェナントレン系,フェナントレン系,ピレンおよびフローランセン系,およびクリセン系であった。それらの最高分子量分子および最大存在量分子の1分子あたりの側鎖の炭素数はそれぞれ11,9,9,6,8,6,4および5,5,4,4,1,3,2であった。

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