日本化學雜誌
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α-アルミナ付パラジウム触媒によるアセチレンの選択的水素化反応
加部 利明安盛 岩雄
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1964 年 85 巻 7 号 p. 410-415,A33

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抄録

アセチレンの接触水素化反応にあらわれる触媒作用の選択性の原因を明らかにする目的で,α-アルミナ付パラジウム触媒により,温度範囲30°~200℃,全圧25~100mmHg,反応気体組成として水素:アセチレン比1:2~2:1の条件のもとに反応速度式,生成エチレン/エタン比としての選択率,およびそれらの温度変化を求めた。反応初期における速度式は低温では水素圧に1次,アセチレン圧に0次であるが,150℃以上ではアセチレン圧の1次に変化する。また120℃以下での初期のエチレン,エタンの生成は並発反応であることが示された。反応初期の選択率はガスの組成によらずほぼ一定で,温度上昇とともに次第に減少するが,120℃より高温側では急速に増大する。また並発する重合反応は全アセチレンの10~20%である。以上の結果と,同一触媒によるアセチレンの吸着,およびエチレン水素化反応の結果とを総合してアセチレン水素化反応の機構を考察した。

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