日本化學雜誌
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茨城県高萩市下大能および近傍のペグマタイト鉱物
長島 弘三加藤 昭千葉 盛人
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1965 年 86 巻 9 号 p. 913-917

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抄録

茨城県高萩市下大能(しもおおの)のペグマタイト中に産するフェルグソン石,カツレン石,コルンブ石および下大能の西方の茨城県久慈郡里美村湯平産のコルンブ石の化学分析を行なった。フェルグソン石は,トリウムおよびウランに富み,かつタンタルをほとんど含まない種である。カツレン石は化学組成および希土類元素配分の点では通常種と相異しないが,著量のマンガンを含み既知のいかなるカツレン石よりも大きい値を示している。
下大能および湯平産のコルンブ石は両者たがいに類似した化学組成を持ち, Nb>Ta, Fe>Mnであるが2%程度の酸化チタン(IV)を含み,従来報告されたコルンブ石-タンタル石系の鉱物中としては最高値を示している。
なお,希土類元素の鉱物の分析に際し,つねに問題となるイットリウム族希土類元素の平均原子量の決定には,酸化物を秤量したのち溶液とし,キレート滴定する方法を採用した。

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