日本化學雜誌
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酢酸溶媒中における10-ウンデセン酸メチルおよびオレイン酸メチルと二酸化セレンとの反応
高岡 京外山 修之
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1968 年 89 巻 4 号 p. 405-408

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抄録

酢酸溶媒中10-ウンデセン酸メチルと二酸化セレン(モル比2:1)を115℃ で空気を吹き込みながら5時間反応させた。粗生成物をケン化し,メチルエステルとしたのち,シリカカラムクロマトグラフィーで分別し,11-オキシ-9-ウンデセン酸メチルを17.0%,ビス(2-オキシ-10-メトキシカルボニルデシル)セレニドを52.2%,セレンを含有した重合物18,6%を得た。
同様の反応条件でオシイン酸メチルと二酸化セレン(モル比1:1)を反応させて得た粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィーで分離した。アセトキシオクタデセン酸メチルを9.2%,アセトキシセレノキソオクタデカン酸メチルに相当すると思われるものを39.8%,ビス[2-アセトキシ-1-(7-メトキシカルボニルヘプチル)デシル]ジセレニド,および,ビス(2-アセトキシ-9-メトキシカルボニル-1-オクチルノニル)ジセレニドと考えられるもの34.0%を得た。オレイン酸メチルから得られたセレン付加体が10-ウンデセソ酸メチルの場合のセレン付加体と構造様式の異なるのは両者のこ重結合における立体障害の差異によるものと思われる。

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