タンパク質に特定の化学試薬を作用させて強化することを目的として,ウマヘモグロビソにエピクロルヒドリン,グリセリン-1,3-ジグリシジルエーテル,グリオキサール,エポキシ化サフラワー油,ヘキサメチレンジイソシアナートなどの架橋化試薬を作用させた。これち架橋化試薬のうちグリオギサールはヘモグロビンをあまり変化させることなく,アルギニン残基との反応が進行ることが示された。すなわちグリオキサールを作用させるとウマヘモグロビン1分子中に14個存在するアルギニン残基のうすちの8個がすみやかに反応することがわかった。この結果,特定の化学試薬に対して反応性を異にするアルギニン残基の存在が明らかとなった。ここにえら為たグリオキサール処理ウマヘモグロビンは酸素脱吸着能を保持したまま,アルカリ,グアニジン,安息香酸および加熱などの作用によるタンパク質の変性をうけにくい状態になることが確かめられた。
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