日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
ウマヘモグロビンのグリオキサール処理
鈴木 周一八森 豊
著者情報
ジャーナル フリー

1968 年 89 巻 6 号 p. 614-617

詳細
抄録

タンパク質に特定の化学試薬を作用させて強化することを目的として,ウマヘモグロビソにエピクロルヒドリン,グリセリン-1,3-ジグリシジルエーテル,グリオキサール,エポキシ化サフラワー油,ヘキサメチレンジイソシアナートなどの架橋化試薬を作用させた。これち架橋化試薬のうちグリオギサールはヘモグロビンをあまり変化させることなく,アルギニン残基との反応が進行ることが示された。すなわちグリオキサールを作用させるとウマヘモグロビン1分子中に14個存在するアルギニン残基のうすちの8個がすみやかに反応することがわかった。この結果,特定の化学試薬に対して反応性を異にするアルギニン残基の存在が明らかとなった。ここにえら為たグリオキサール処理ウマヘモグロビンは酸素脱吸着能を保持したまま,アルカリ,グアニジン,安息香酸および加熱などの作用によるタンパク質の変性をうけにくい状態になることが確かめられた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top