日本化學雜誌
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酸化ビスマス(III)-酸化クロム(III)系の結晶化学的研究
枡野 邦夫
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1969 年 90 巻 11 号 p. 1122-1127

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抄録

熱的実験とX線的実験により,酸化ビスマス(III)-酸化クロム(III)系相図の決定を行なった。この系では,BiCrO3化合物,3Bi2O3⋅2GrO3固溶相,9Bi2O3⋅CrO3固溶相が存在することを見いだした。BiCrO3の結晶系は斜方晶系に属し,格子定数はa=10.52Å,b=17.63Å,c=9.995Åである。3Bi2O3⋅2CrO3固溶相は,ビスマス含有量の多い相で安定で,5Bi2O3⋅CrO3まで固溶し,格子定数a=5.52~5.55Å,b=5.74~5.77Å,5.48~5.50Åをもつ斜方晶系に属する。これらの固溶相は粉末X線回折線強度と格子定数から推定して,2Bi2O3⋅MoO3と類似構造であると考えられる。9Bi2O3⋅CrO3は正方晶系(a=b=7.75Å,c=5.73Å)で,その固溶相はビスマス含有量の少ない相に拡がっている。

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