日本化學雜誌
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紫外分光光度法によるポリアミン-N-ポリ酢酸-鉛(II)錯体の組成と安定度定数の決定
野崎 亨小柴 訓治大野 芳子
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1969 年 90 巻 11 号 p. 1147-1151

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抄録

水溶液中の鉛(II)の1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA),ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA),N-(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸(EDTA-OH),およびエチレソグリコールジエチルエーテルジアミソ-N,N',N''-四酢酸(GEDTA)錯体の安定なpH領域,組成,濃度安定度定数およびモル吸光係数を紫外分光光度法により求めた。鉛とポリアミン-N-ポリ酢酸(HnX)とのモル比はCyDTA,DTPA,EDTA-OH錯体では1:1のみで,GEDTA錯体では1:1,2:1の2種が存在する。また,あるpH領域ではプロトン錯体が生成すると推定された。イオン強度0.10,20℃におけるCyDTA,DTPA,EDTA-OHおよびGEDTA錯体の濃度安定度定数log KPbXはそれぞれ21.28,20.56,15.99および14.84の値をえた。また,これら錯体のモル吸光係数はそれぞれ吸収極大波長245,249,240および254mμで8.80,8.60,8.56および6.50×103であった。さらに応用例として鉛(II)・DTPA錯体とアルミニウムとの置換反応を用いて,ベリリウム共存下で0.3~1.6ppmのアルミニウムが定量できた。

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