1969 年 90 巻 2 号 p. 163-167
マグマ発散物の分化過程におけるフッ素と塩素の分配にっひて知るため,薩摩素硫黄島火山で各種の火山活動産物を採取し,フッ素.塩素を定量してえた結果を他の火山でえた資料や,以前に報告した模型実験の結果と比較,検討した。扱った試料は,火山岩,火山ガス(745~90℃).温泉水(pH1~7)火山昇華物,温ガスである.その結果.火山活動産物間のF/Cl比に関するいくつかの関係-(F/Cl)火山岩>(F/Cl)火山ガス>(F/C1)温泉水,(F/Cl)変質物>(F/Cl)火山ガスまたは温泉水などを認めた。その機構をマグマ発散物の分化の概念に基づいて考えた結果,つぎのような結論をえた.分化の主系列においては,分化の初期に属する生成物は塩索,より後期に属するものよりF/CI比が大きい.フッ素は塩素よりも親石性が強い。
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