日本化學雜誌
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光・電子・励起種による励起・分解・イオン化過程の相違
田中 郁三
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1971 年 92 巻 12 号 p. 1027-1038

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抄録

電子的励起状態の分子を得ようとするとき,著者らは主として光,電子,励起種(励起原子,励起分子)を用いる。また分解あるいはイオン化についても同様な方法を用いることが多い。ところがこの三つの方法によって励起あるいはイオン化した場合の類似点,相違点についてあまり明確にされていない。そこで励起に関しては励起のさいのスピン関係について主として論ずる。すなわち光と電子については多重項変化に関してまた励起種についてはスピン相関法則に関して論ずる。分解においてはH2Oを例としてOHの回転異常分布が光・電子・励起種で異なるところからその分解過程の相違について述べる。またイオン化過程について光,電子によるThreshold Lawおよび励起種によって起こる化学イオン化と増感イオン化についてセシウム,アセチレンを例として述べる。

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