1971 年 92 巻 8 号 p. 719-722
アミド基の窒素の置換基上に配位原子をもつピコリン酸アミド誘導体9種類RNHCO(C5H4N), R=(CH3)2N(CH2)2, (CH3)2N(CH2)3-, (C2H5)2N(CH2)2-, CH3NH(CH2)2-, CH3NH(CH2)3-, C2H5S(CH2)2-, C6H5NH(CH2)2-, 2-(C4H3S)CH2-を新しく合成し,そのバラジウム(II)錯体を研究した結果,エーテル結合の酸素およびチオフェン環のイオウを有する最後の2配位子はバラジウムに配位しないことがわかった。その他の配位子はいずれも,ビリジン環の窒素,アミド基の窒素および置換基上の配位原子によって,三座配位子として作用し,平面型反磁性錯体, [PdXL]・nH2O(X=Cl, Br; L=酸アミジ基の水素を失った配位子)を生ずる。得られた錯体の可視,紫外,赤外吸収スベクトルおよび核磁気共鳴スベクトルを測定した。
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