日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
1-アセチルチオセミカルバジド錯体による少量の銅(II)重量分析
小松 寿美雄野村 俊明中村 俊夫田村 敏晃
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 92 巻 9 号 p. 798-800

詳細
抄録

1-アセチルチオセミカルバジドが水溶液中で銅(II)とモル比1:1で反応してつくる紫黒色錯体沈殿を秤量して少量の銅(II)の重量分析を行なった。銅(II)試料溶液に酢酸-酢酸塩緩衝溶液(pH5.2)を30ml加え,必要に応じて水で適当な溶量(約100~300ml)に希釈する。この溶液に銅に対してモル比約2倍量のカルバジドを加え裼浴上で約30分間加温する。生成した沈殿を口過洗浄乾燥して秤量する。この方法で1.2mgから25mgの銅(II)について定量できた。
銀(I),金(III),水銀(II),バラジウム(II),白金(IV)はカルバジドの沈殿を生じて妨害する。鉄(III),二ッケル(II),コバルト(II)もまた本定量法を妨害するが,ロシェル塩でマスクできる。この方法を黄銅およびジュラルミン中の銅の定量に適用して良好な結果を得た。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top