1972 年 1972 巻 12 号 p. 2231-2236
真空焼成によりLa固溶量で酸素欠陥量を制御したペロブスカイト型フェライト固溶系Sr1-¢La¢FeOの磁気的性質について研究した。0.0<x<0.30の組成範囲の試料は反強磁性体であり,N6e1温度は450~460℃で組成による-定の変化は認められず,La固溶量の増加にともない磁化率(Zg<)は小さくなる一方,N6el温度での磁気異常はいちじるしくなる傾向が認められた。0.40<¢<0.80の組成範囲では反強磁性にともない,寄生強磁性の派生がみられ,その飽和磁化(σo)はα8~2.8c.9.s.emuの範囲で得られ,露の増加とともに大きくなる。空気中焼成して得たLaFeO8に関しては,1100℃焼成試料は反強磁性体であるが,1300℃焼成試料では寄生強磁性(砺=0.55c.9。s.emu)をともなうことが判明した。寄生強磁性をともなう組成範囲α40<x<1.0において,σoとπ9の間には直線関係が成立すること,またLaFeO3の赤外吸収スペクトルの解析から寄生強磁性の発生にはある程度の酸素欠陥量の存在が有効であると結論づけられる。
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