日本化学会誌(化学と工業化学)
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アゾジカルボンアミドの熱分解
脇 国男山下 忠孝
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1972 年 1972 巻 12 号 p. 2359-2364

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抄録

対称性アゾ化合物の固相分解の一つとして研究を行なった。アゾジカルボンアミドはユニ業的に多く用いられている反面,分解生成物,分解機構はくわしく知られていない。固相分解は多くの障害をともなうものであるが,粒度を一定にして,定温で緩慢分解を行なわせることにより再現性のある結果を得た。DTA,TG法により熱特性を調べ,分解生成物は熱分解ガスク鐸マトグラフィー,赤外吸収スペクトル,質量スペクトル法により同定した。おもな生成物はN2,CO,ピウレア,インシアヌル酸であった。微量生成物としてインシアン酸,シアン酸,NH3,シァン酸アンモニウム,シアメリドを同定した。分解速度はガス発生法によって圧力増加を追跡した。速度式はProut-T。mpkins式を満足した。圧力増加曲線はS字状になった。速度定数を求めるとき,通常圧力曲線の偏曲点を境に二段になるに対し三段になった。第-段,第二段のArrheniusプロットは直線にのり,第-段からのE8は31.6kcal/mol,前指数項は1.0×1012を得た。分解生成物の経時変化を追跡したところ,ガス発生速度に二つの極大値のあることが判明した。初めの極大値はN2,COの最大発生速度に一致したQこれから分解機構を考察した。

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