日本化学会誌(化学と工業化学)
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ζポテンシャル法によるエチル=メタクリラート-2-ドロキシエチル=メタクリラート共重合体/水系の収着過程に関ずる研究
平田 光男岩井 信次
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1972 年 1972 巻 12 号 p. 2397-2403

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抄録

水に浸漬したときの3種の組成(エチル雛メタクリラ-ト(EMA)/ヒド貿キシエチル=メタクリラート(HEMA)=9/1,8/2,7/3モル比)の共重合体の収着過程をζ-電位の経時的減少過程から追究した。∂共重合体のガラス転移点Tgを含む温度範囲(室温から約70℃)で測定した。ζポテンシャル(流動電位法から求まる)から得られる速度定数Kを収着から直接得られる拡散定数Dと比較した。その結果1は以下のとおりである。
(1)T>Tgの温度範囲におけるKは収着(水彩)過程の組成依存をもっとも明確に示した。すなわち,T>Tgにおける活性化エネルギー∠E(2)はHEMAの増加(OH基の表面密度の増加)とともに高くなったが,HEMAの導入量の増加による∠Eや∠E2z(T>Tg)の変化は見られなかった。(2)収着水の可塑化により共重合体のTg低下が観察された。(3)実験温度範囲で,1との値は(PEMA)>共重合体9/1>8/2>7/3の順であった。

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