日本化学会誌(化学と工業化学)
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キシレノールとホルムアルデヒドの反応におよぼす含窒素化合物の触媒作用
堀田 久志林 敏彦中牟田 昌隆
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1973 年 1973 巻 6 号 p. 1221-1225

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抄録

前報でアンモニアを触媒としたフェノールーホルムアルデヒド樹脂の生成機構を,キシレノールを用いたモデル反応で検討した結果,反応過程で生じる含窒素構造がそれ以後の反応に大きく寄与するのではないかと考えられるにいたった。そこで第二級アミンのオキサジン環化合物および第三級アミンを含窒素構造のモデルとして,これらのキシレノールとホルムアルデヒドの反応におよぼす触媒作用について,その反応の進行および触媒物質の構造変化についてNMRを用いて検討した。その結果,これらの物質が触媒作用をなすことが明らかとなったが,その形態は複雑である。一般的には第三級アミンの触媒作用がもっとも大であった。その場合,ナルト位に反応性を有する2,4-キシレノールでは,第三級アミンはいったん第二級アミンのオキサジン環化合物に変化したのち,これが触媒作用をなすと考えられるのに対し,パラ位に反応性を有する2,6-キシレノールでは生成したトリベンジルアミンとして,触媒作用をなすように考えられる。

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