日本化学会誌(化学と工業化学)
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リン酸を触媒とするε-カプロラクタム環状二量体の開環重合反応
大坪 敞藤岡 慶三
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1974 年 1974 巻 11 号 p. 2176-2180

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抄録

ε-カプロラクタム(以下ラクタムと略記する)の環状二量体のリン酸を触媒とする加水分解重合反応について検討し,以下の結果を得た。
リン酸を触媒とする環状二量体の開環重合反応は,反応初期は環状二量体結晶を含む不均-系反応で,環状二量体の転化反応およびラクタムの生成反応は零次反応で進行し,その速度定数は添加リン酸量および水分量に-次比例する。蔦の場合,反応系の遊離末端基濃度は反応時間に関係なくほ醸-定値が得られ,加水分解による環状二量体の開環反応はリン酸触媒によってすみやかに進行し,その後,鎖状分子アミノ末端基と環状二量体とのアミド交換反応によって環状二量体の重合が進む-方,鎖状ポリカプロアミドの末端の単位に含まれるアミド基がアミン分解を受けラクタムを生成するものと考えられる。
環状二量体の転化率約50%以上では,環状二量体が生成したポリカプロアミド,ラクタムに溶解し,-次反応にしたがって均-に反応が進行し,その速度定数は添加水分量に比例した。

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