日本化学会誌(化学と工業化学)
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ナトリウム型テニオライト-アミノ酸複合体の生成
北島 圀夫大門 信利
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1974 年 1974 巻 8 号 p. 1473-1479

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抄録

合成ナトリウム型テニオライト[NaMg2Li(Si,O,e)F](N-T)カミ膨潤性を有する点に着目して,N-Tと各種アミノ酸との複合体の生成を試みた。その結果,各アミノ酸の等電点よりも酸性側に調製した塩酸酸性アミノ酸水溶液でN-Tを処理することにより,アミノ酸分子がN-Tの層間に侵入配位し,N-T-アミノ酸複合体が生成することが判明した。pH=1で調製した各種複合体の層間二値[d(OOI)]の測定結果から,これら複合体の層間におけるアミノ酸分子の配列の様式を検討し,炭素数の小さいアミノ酸(炭素数=3.4)ではアミノ酸のアルキル鎖がケイ酸層に平行に並んだいわゆるa型をとって一分子層配列をなしていることが判明した。このような複合体生成はおもにN-Tの層間Na+イオンとアミノ酸陽イオンとのイオン交換機構によって起こる。なお,これら複合体の加熱変化およびN-Tからの水素型テニオライト(H-T)の生成についても述べた。

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