日本化学会誌(化学と工業化学)
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酸化モリブデン系二元触媒によるオレフィン酸化
西村 功早川 孝石川 敏夫
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1975 年 1975 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

MoO3と他の酸化物(MOm/2)による二元触媒を用いてC3H6またはi-C4H8酸化を活性と添加酸化物の関連について検討した。反応は空気に17%C3H6または15%i-C4Hsを混合して行なった。多くの場合,触媒組成はM/Mo=0.2(原子比)であったが,いくつかのものについてM/Mo=1のものを用いた。C3H6またはi-C4H8酸化での触媒の酸化活性の序列は同様であった。その序列をつぎに示す。
(Mo-Ti)>Mo-Sn>Mo-Cr>Mo-V>Mo-Mn>Me-P>Mo-Ce
=Mo-Fe=Mo-Co=Mo-Sb=MoO3,
しかし,不飽和アルデヒドの収率は異なる結果を示した。それらの結果をつぎに示す。
Mo-Sn>Mo-Cr>Mo-Mn>Mo-V>(Mo-Ti)>Mo-Fe>Mo-Ce
Mo-Co=Mo-P=Mo-Sb>MoO3(450℃におけるアクロレイン収率)
Mo-Cr>Mo-V>Mo-Mn>Mo-Sn>(Mo-Ti)>Mo-Sb>Mo-Fe
>Mo-Co>Me-Ce>Mo-P>MoO3(420℃におけるメタクロレイン収率)
一方,N2と混合したC3H6による触媒の還元での初期に生成する(CO+CO2)への反応率を表面酸素の反応性の尺度とした。酸化活性は表面の反応性と関係があった。また,Mm+とMo6+のイオン半径の差が大きい場合に,酸化活性は高かった。
上に述べた結果に基づいて,MoO3格子中に他の酸化物により大きなヒズミが与えられることにより,より高い活性が示されるものと考えられた。

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