1975 年 1975 巻 8 号 p. 1358-1364
1-ピロリジンカルボジチオ酸キレート抽出法を,諸種の環境試料(生体試料および大気浮遊粒子状物質)の放射化分析における属分離に適用した。原子炉で1または5時間照射した試料を硫硝酸混液で湿式分解後,残液のpHを3.0して一群の遷移元素をクロロホルム抽出し,つぎにpHを7,0にしてマンガンをクロロホルム抽出する。この属分離法により,ハロゲン元素は湿式分解時の蒸留相に,生体必須または有害の微量遷移元素群はpH3抽出相に,マンガンのみはpH7抽出相に,そしてアルカリ金属,アルカリ土類金属および希土類元素群は水相に分離される。ただし,ヒ素およびアンチモンはpH3抽出相および水相に分配される。本法により得られたNBS標準生体試料の分析値は保証値とよく一致した。
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