日本化学会誌(化学と工業化学)
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電子捕獲検出器の応答におよぼすパルス条件の影響
竹内 正博
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1976 年 1976 巻 10 号 p. 1565-1568

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抄録

電子親和性化合物の感度におよぼすバヅクグランド電流(Ib)の影響を明らかにするために,種々のパルス条件における電子捕獲検出器(ECD)の応答を検討した。
まず,パルス幅(tw:0.1~10μsec)による1bの変動を種々のパルス間隔(tp:100~2000μsec)について,30Vおよびその他のパルス電圧で測定した。得られた1ゼら曲線のプラトー値はらの増加とともに直線的に減少したQ-方,ECDセル内の電子数はらとともに増加し,ほぼち=2000μsecで飽和した。それらの結果から,電子との反応の全速度定数(kD)および熱電子の生成速度(kpRβ)を求めたところ,それぞれ1.1x1O3/secおよび1.73xlO10個/secとなった。
つぎに,一定量の電子親和性化合物の応答を種々のパルス条件で灘定し,さきに得たIb-tw偏曲線と対比させたところ,肩の部のパルス条件で感度は極大を示し,極大値およびそのときのtwはtpの増加とどもに増大する方向へ移動した。プラトー領域のパルス条件では,J.,の増加とともにECDセル内の自由電子濃度が定常状態に近づくので,感度は彦,とともに増加し,tp=1000~1500μsecで最高になった。

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